初耳!! インドネシアの行政機関には 「宗教省」 が存在します。
バリ島に移住して、早4年・・・
生活には慣れてきましたが、まだまだバリ島やインドネシアについて、知らないことが山ほどあります。
先日、「宗教省」 という、インドネシアの行政機関について初めて聞いたんですが、皆様はご存知ですか・・・?
日本では考えられない、まさにお国柄・・・ といった内容です。
インドネシアでは 「政治 / 宗教 / 結婚」 この3つの話は、親しい間柄以外では ” タブー ” とされている話題なので、大変貴重なお話しです*
私もバリ島に来るまで勘違いしていたことですが、インドネシアをイスラム教徒の国だと思っている方が、意外と多いのではないでしょうか・・・?
実はそれは間違った理解で、インドネシアには 「宗教省」 という、日本にはない宗教を司る省があり、国民の宗教的な諸事項を決めたり、管理をしたりしているそうです。
その 「宗教省」 が認めるインドネシアの5大宗教は、イスラム教 / ヒンドゥー教 / 仏教 / カトリック教 / プロテスタント教です。
これらの宗教を信じる人たちには、なるべく平等に、宗教的な祭日を与えることになっているそうです。
これまで、仏教や中華系の人の存在を認めていなかったスハルト政権下の時代は、中国の旧正月やお釈迦様の誕生日は、祭日として認められていませんでしたが、現在は祭日となりました。
私たちに最も身近な 「宗教省」 の役割は、” 結婚を司ること ” です。
インドネシアは、日本のように誰とでも結婚出来る・・・という社会ではありません。
インドネシア人は何らかの宗教を信じなければならないという、「宗教の義務」 があります。
国民のIDである身分証明書 (KTP) にも、” 宗教 ” という欄があります。
例えば、不慮の交通事故で死亡し、その人の身元や身寄りがすぐには分からない場合、身分証明証に記載されている ” 宗教 ” の掟に従って、葬られることになります。
・ イスラム教徒なら、亡くなってから24時間以内に葬ること
・ ヒンドゥー教徒なら、荼毘に付すこと
・ キリスト教徒なら土葬すること ・・・ などの各宗教の掟に従って葬るそうです。
国民の結婚は、” 同じ宗教同士の人 ” ということを義務づけており、 それを 「宗教省」 は司っているのです。 異なる宗教同士の人が結婚する場合、どちらかの宗教に改宗することを条件に、結婚が成立します。
住まいや環境により違いますが、通常は女性が信じる宗教に、男性側が改宗することが多いそうです。
同じ宗教を信じることによって、カップルは宗教省から有効な結婚として認められ、登録されます。
結婚に関する諸条件は難しいケースも多々あるようですが、これが最も基本的な結婚の方法であり、「宗教省」 が私たちの身近なお役所として感じられる瞬間でもあります。
[世界の様々な祈り]
インドネシアには、先程お知らせした5つの宗教以外にも、様々な宗教が存在し、主義主張を展開しています。
世界の至る所で、宗教上の争いから深刻な宗教戦争に発展している国がありますが、宗教で争うのなら、この多種多様な宗教が混在いているインドネシアは、いつ戦争が起きても不思議ではない国です。
しかし、インドネシア国民は、皆 ” 仲良く ” 生活しています。 これがインドネシアの凄い所だと思い ます。
「宗教省」 によって管理された、それぞれの宗教の掟をお互いに尊重し合い、自らも敬虔な宗教生活を行う・・・ これがインドネシア人の基本生活です。
過激な行動に走ろうとする人も中には居ないわけではありませんが、常に周りに ” 冷静に神を信じている人たち ” がいる為、争いごとには必ずそのような人が仲介に入り、平穏に収めているのでしょう。
宗教省のお陰で、国民の心が穏やかに育まれているとすれば、 「宗教省」 の存在は、インドネシアにとってはとても大きいと思います。
日本にも、仏教や神道などがありますが、最近の日本では、宗教は影の薄い存在のように感じます。
宗教に対して様々な意見があり、私こそ無宗教ですが、バリ島に住んでから信仰を持つ人々を見て、” ブレずに信じるものがある ” というのは、何だか羨ましいような気もします。
バリ島は、” 神々の島 ” と呼ばれるぐらい、バリ・ヒンドゥー教への信仰心が根強く残っています。 日本からお越しの際には、そんな神聖な雰囲気が新鮮に感じられると思います。
セレモニーや仕来たりなど、宗教によって様々ですが、どうか観光でお越しの際には、尊重や尊敬の気持ちを忘れずに、暖かい目で見守って頂ければ、幸いです。
◆ バリ島の寺院参拝の際に気を付けて欲しいことはコチラ → バリ島の寺院を訪れる際の [マナー & 注意点]
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
Copyright © ゴーゴーバリ! All rights reserved.
この記事へのコメントはありません。